概要

当リサーチセンターでは主として量子アルゴリズムの概念を機械力学や制御理論に応用する研究を中心に活動していきたいと考えています.以下では,この分野を中心に研究を説明します.

(a) 量子アルゴリズムの一つであるGroverアルゴリズム(図2)が成り立つ3体衝突振動系(図3)から,任意の区分時間ごとのフィードフォワード制御(振動操作関数)を導き(図4),これを区分時刻ごとに修正することで離散フィードバックする区分サンプル値制御を提案し(図5),様々な制御系(天井クレーン・倒立振子,倒立型移動体,アクティブサスペンション)に応用しています.本制御法は,操作時間を陽に定義できることから,機械と比較して遅い反応時間の中で進む人の意識と馴染みが良いのが特徴です.

図2

図3

図4

図5

(b) 駆動系を含めたハミルトン系で制御理論を定式化する研究を行っています.これにより,状態空間表現は,仮想な駆動系を含めた状態ベクトルを状態行列のみの演算で経時的な操作を表現することが可能となります(図6).ブロック線図で表現され周波数パラメーターでしか定義できなかった従来の制御理論を,経時的な演算回路で表現することで,目的に沿って逐次的に運動する人と共生しやすい制御法が実現します.

図6

(c) エネルギーを軸としたハミルトン系における制御理論の利点を生かして,振動操作関数を用いた区分時間ごとに被駆動系から任意のエネルギー回生を実現する発電法を提案しています(図7).これを送電線に直接伝送する波力発電や電気自動車の回生アクティブサスペンションに応用しています.また多体振動系の振動エネルギーを一か所に集中させることで,効率の良い発電法の研究も行っています(図8).

図7

図8

(d) 振動操作関数を用いた衝突振動の制御法の研究をおこなっています(図9).カオスに至るGraze発生の条件の研究や高速プレス,ハンマリング等の加工への応用を目指しています.

図9

(e) 振動操作関数による,切削加工のビビり振動の理論化を行っています(図10).また振動操作関数を用いた歯車やカム,リンク機構等の機械要素の設計や機械の損傷解析について研究しています.

図10

(f) 固体結晶の線欠陥である転位と強磁性体の磁壁との相互作用と力学物性との関連について研究を行っています.これによる非履歴磁化法を鉄鋼材料の非破壊検査法に応用しています(図11).

図11

(g) パルス化DCプラズマ装置を自作し,これを使ってDLC薄膜やc-BN,TiN,鉄の窒化処理の研究を行っています.パルス化DCプラズマ装置は,低真空でも大電流でプラズマを利用できることから,安価で効率的に薄膜形成ができます.また水素ガスを高密度に導入できることから,酸化膜等の還元処理を同時に行いながら,窒化処理等の物質合成が可能となります(図12).

図12

(h) 分子動力学法(MD)を用いて,半導体の結晶成長や金属間化合物内部の転位の挙動を中心に研究をしています.固体中の原子の挙動を明らかにすることで,より完全な結晶の成長法やより丈夫な材料の開発に役立てています(図13).

図13

メンバー

以下のメンバーは,3つのグループに分かれており,そのうち主として小竹の担当する1グループが,人間共生ロボティクスメカトロニクスリサーチセンターに所属しています.

http://www.qm.mach.mie-u.ac.jp/member.html