センターの概要

様々な分野で人間を支援するロボットやメカトロニクス技術の導入が望まれている。これら人間支援ロボット・メカトロニクスシステムには、人に高度に調和し、人と共生しうる高度な機能を保有する必要がある。

本リサーチセンターでは、工学研究科内での複数研究室の連携、国や地方自治体、さらには、海外との連携により、様々な人間支援システムを対象に、人の特性を解析し、そのモデル化手法及びそれに基づく高度に親和性を有するシステムの構築手法の開発、さらには、システムを高度に実現できるハードウェア開発を行うことを目的とする。

詳細

認定期間

平成27年4月1日 ~ 平成32年3月31日 

構成研究者

工学研究科 教授 池浦 良淳
工学研究科 教授 矢野 賢一
工学研究科 教授 野村 由司彦
工学研究科 教授 小竹 茂夫
工学研究科 教授 稲葉 忠司
工学研究科 教授 駒田 諭
生物資源学研究科 教授 陳山 鵬
工学研究科 准教授 加藤 典彦
工学研究科 准教授 早川 聡一郎
工学研究科 准教授 山村 直紀
工学研究科 准教授 弓場井 一裕
工学研究科 助教 松井 博和
工学研究科 助教 堤 成可
工学研究科 助教 矢代 大祐
工学研究科 助教 小山 昌人

 

連絡先

三重大学大学院工学研究科機械工学専攻 池浦 良淳
〒514-8507 三重県津市栗真町屋町1577
電話/FAX 059-231-9668
E-mail ikeura@ss.mach.mie-u.ac.jp

研究の背景,ニーズ及び目的

政府は新たな成長戦略として,「ロボットによる新たな産業革命の実現」,「ロボット技術の活用により日本企業の生産性の向上を実現し,収益力向上と賃金の上昇を図る」としており,2020年までに製造分野での市場規模を現在の2倍の1兆6000億円,サービス分野で20倍の1兆2000億円に拡大させる素案を閣議決定した。重点分野は,介護,農業,インフラ,工場となっている。この中で,介護,農業分野では,人と共同して作業する能力を持ったロボット・メカトロニクスシステムを開発することが必要であり,工場分野でも,人と一緒に作業できる,簡単に移動できる,簡単にティーチングできるなどの特徴をもったロボットを開発することが重要となっている。このように,様々な分野で人間を支援するロボットやメカトロニクス技術の導入が望まれている。これら人間支援ロボット・メカトロニクスシステムは,人に優しい機構を持ち,操作性の優れたものである必要がある。そのためには,人の特性を綿密に解析し,その特徴に調和する高度なシステムを構築する必要がある。 本リサーチセンターでは,工学研究科内での複数研究室の連携,国や地方自治体,さらには,海外との連携により,様々な人間支援システムを対象に,人の特性を解析し,そのモデル化手法及びそれに基づく高度に親和性を有するシステムの構築手法の開発,さらには,システムを高度に実現できるハードウェア開発を行うことを目的とする。
また,本センターで蓄積した技術は,人間支援システムに適用するだけでなく,様々な製造技術にも適用することが可能である。三重大学を取り巻く今後の状況を考慮すると,特に地域との連携が重要となる事が予想され,三重県や社会連携センター,TLOと連携して,東海地区企業の製造技術の高度化をも目的とする。

研究内容

本センターは,第1期(平成22年4月1日~平成27年3月31日)では,人間支援ロボット・メカトロニクスシステムを開発するための要素技術の高度化を行ってきた。第2期(平成27年4月1日~平成32年3月31日)では,これらの開発した高度な要素技術を用いて,以下の具体的な人間支援システムを開発する。

(1)車のドライバアシストシステムの開発

高齢などにより,肉体的,認知的な機能が低下したドライバの運転を支援するシステムを開発する。走行環境から危険情報を抽出し,危険を回避するためのため,ステアリング,ブレーキ,アクセルの操作をアシストする。その際,ドライバには違和感のないアシスト操作を実現できるようにする。

(2)パワーアシストシステムの開発

工場などの重労働環境を改善するパワーアシストシステムや障害者の筋力を補助するパワーアシストシステムの開発を行う。いずれも操作者にとって如何に自然にスムーズに操作できるかが重要であり,人間の操作特性を解析し,それに合った操作制御手法を開発する。また,福祉用パワーアシストシステムは体に装着する場合が多いが,体の運動特性に合ったアシスト機構の開発を行う。

(3)リハビリテーションシステムの開発

人の運動特性に合ったロボットによるリハビリテーション手法の開発を行う。また,リハビリテーションでの効果を訓練を受けている人にもわかりやすくするため,訓練時の筋活動を訓練者に提示できるシステムを開発する。

(4)学習支援システムの開発

動作教示システム
熟練者の技能を未熟練者に効率よく伝えるシステムを構築する。特に,手や足などの体の運動を対象に,ロボットメカトロ技術を利用して,人から人へ効率よく技能を伝達できる手法及び機器を開発する。また,熟練者の運動は時として,数学的にモデル化するのが難しい場合が多い。そこで,モデルを用いずに熟練者の作業スキルをロボットに伝達する手法を開発し,熟練者の作業をロボットにて実行できるようにする。

他国言語学習システム
他国言語の学習を行うのに,自国の言語に変換しないで,他国の言語とそれに合った動作とを組み合わせて学習する手法があり,学習効率が高いと言われている。ここでは,他国言語とロボット動作により,さらに効率よく言語学習できるシステムを開発する。

(5)遠隔支援システムの開発

 熟練者の人手不足などのより,現場での作業が困難な状況が考えられる。そこで,通信とロボットメカトロニクス技術により遠隔での作業が可能で,高度な操作性能を有した遠隔操作支援システムを構築する。

(6)産業応用

金型,鋳造技術の高度化
東海地区のモノづくりに,金型によるプレス加工や鋳造による鋳物製造は欠かせない技術となっている。そこで,金型を高度化することによるプレス加工の高精度化や最適手法を用いた鋳造技術の高度化による鋳物製造の高効率化を実現する手法を開発する。

モータの高度制御,低騒音化
様々な産業機械に使用されている電動モータの性能高度化や繰り返し制御を用いた低騒音化手法を開発する。

燃料電池の効率的利用方法の開発
燃料電池を効率的に利用するための電気二重層キャパシタやリチウムイオン二次電池の電気的特性を明らかにし,燃料電池と電気二重層コンデンサ(EDLC)もしくはリチウムイオン二次電池を組み合わせた電力変換装置の構成及び制御法を開発する。

これらの開発の多くはすでに,産業界などの他機関との共同研究がされており,特に今後,地域拠点大学として発展が期待されている三重大学の成果として大きく貢献すると考えられる。また,海外との研究機関や企業とも連携することで,地域拠点から国際的な研究連携も期待できる。